「ガンは熱に弱いけど、熱で焼き殺すわけじゃない。周りの細胞一つ一つが元気でいればガンはおとなしくなるんだよ」
『日本ガンコンベンション(アメリカガンコントロール協会主催)』の壇上でわかりやすく観客に語りかけ、多くのガン患者に勇気を与えた三井先生。(平成7,8,9年講演)お話の後は、体験治療を受けようと多くの方が列を作っていました。
生前、三井先生の治療院である「丼龍堂(せいりゅうどう)」には、ガン治療をはじめとした多くの方が日本全国から救いを求めて訪れていました。難病とされ、医者に見離された人、何年も激痛に苦しみ、人から聞きつけ、早速札幌から今朝着いたばかりだという人もいました。
「どこから来たんだい?」と気さくに話しかけ、笑顔のうちに治療され、また時には、病状のひどさにともに涙されることもありました。
「バッテリーがあがれば自動車が動かなくなるのと同様に、人間も心身に疲労がたまるとバッテリーがあがってしまう。人によって病気の種類は分かれるけど、病気の根本はひとつ。ずばり、人間のパワーの源は熱なんだよ。熱が足りない身体が病気になるんだよ」
「背骨は大黒柱、ここがふらふらしてちゃ元気になれないよ」
こんな先生の元気な言葉を励まされながら、みるみる元気を取り戻されていく人々。
「悪いところが熱い。そこが熱くなくなれば満足、満足」
冷えた場所は特に熱く感じ、思わず「熱い!」と声を出していたのが、終わるころには眠くなるほど気持ちよくなってしまう温熱療法の不思議さ。
「皮膚が鈍感になると、皮膚刺激が内臓反射を起こさなくなってしまう。アチチによる刺激は、皮膚感覚を敏感にして脳を仲介して働きかけていくんだよ。内臓だけでなく、血管、神経、そして生体維持のあらゆる活動にね」
『三井温熱療法』は21世紀に三井先生が残された貴重な財産です。全身をくまなく温めるのではなく、その人その人の冷えた場所をみつけ、そこに熱を注ぎ込みながら、全身の筋肉のバランスを整えていくこの療法の持つ可能性は限りないものがあります。不定愁訴や難病に苦しんでおられる方は、ぜひ熱の持つ不思議さを体験してみていただきたいと思います。
文責:三井温熱物療師会長 永井 浩二(三井温熱株式会社 技術研修部)